株式会社谷岡ドレス 代表取締役会長 写真家
谷岡 一治(たにおか かずはる)理事
医学生時代に独力でアパレルメーカーを起業し、
ユニフォームのトップメーカーに成長させた谷岡理事。
自然をテーマとした風景写真家としても高い評価を受け、
現在は健康長寿を支援する「杜仲精粉茶」の普及に努めている。
1935年兵庫県豊岡市生まれ。大阪大学医学部在学中の1957年谷岡ドレスを創業。1967年株式会社谷岡ドレスを設立、代表取締役社長に就任。2012年同社代表取締役会長に就任。日本被服工業組合連合会理事長、大阪府被服工業組合理事長、関西ニュービジネス協議会(NBK)常任理事など、数多くの団体役員を歴任。2011年秋の叙勲で旭日双光章受章。
【ユニフォームメーカーとして基盤確立】
大学時代は医学を専攻していましたが、親戚が経営していた洋品店でアルバイトをしていました。3年生のときに月賦販売のパイオニアであった株式会社丸井の方と知り合ったことで、婦人服を販売するルートを個人的に確保することができました。洋服を販売していくおもしろさを知り、医者ではなくアパレル業界で起業しようと決意したのです。
確かな販路を得たことにより、起業時も資金面では安心でした。大学を卒業してすぐに一戸建てを購入し、2階を工房にしました。アルバイト時代は販売のみに携わっていましたが、会社となると製造や事務手続きなど経営全般が自分の仕事となり、忙しさが増しました。
最初は婦人服のみの販売でしたが、「松坂屋さんがユニフォームをつくるための業者を探している」という情報を得て、1960年からデパートのご依頼によるユニフォームなどのイージーオーダー制作をスタートしました。その後も次々と一流百貨店との取引を得て、ユニフォームの業種も飲食業、オフィス、病院、ホテルと多岐にわたるようになり、当社の主力事業となっていきました。
【個人を輝かせる谷岡ドレス】
事業は順風満帆に発展し、1971年から社員が一流のものを見て感性を磨くことを目的として、毎年1カ国ずつ全員で社員旅行に行くことにしました。近年までに世界の主要な地域をひととおり回ってきたので、ほぼ世界一周達成となりました。
社員たちが海外の超一流ホテルなどに実際に宿泊し、ユニフォームはもちろん、建物やインテリアなどを自分の目で見ることによって、ウエアをつくるための感性が養われ、当社のレベルアップにつながりました。
当社は2017年に創業60周年を記念して「カスタム・パタンオーダーメイド」を企画しました。谷岡ドレスでは60年培ってきた数多くのパターンを持っていますが、それらをデータベース化しCAD/CAM技術を導入して合理化することで、高級服をリーズナブルにご提供することが可能になりました。
ユニフォームで統一感を持たせるという時代は終わりました。ユニフォームは同じデザインであっても、着る人によって印象が変わります。個人の良さが輝く服をつくり、輝いている個人が集まることで、企業全体がもっと輝く。それによって働く人達のモチベーションが向上し、生き生きと仕事ができる。谷岡ドレスはそんなウエアをこれからも創り続けていきます。
【一瞬を捉える感性を磨いた生涯の趣味】
写真を始めたのは、1959年の伊勢湾台風や1961年の室戸台風で新築の家が水没した辛い経験がきっかけでした。自分が積み上げてきたものが一瞬でなくなってしまう喪失感から、形として後世に残るものを生み出したいという強い思いが生まれ、自己流で写真を始め、生涯にわたって打ち込むことになりました。
撮影対象は自然に限定し、半世紀以上にわたって世界各地に180回以上、国内は北から南まで1300回以上の撮影旅行を行いました。愛機は30年ほど前に出会った、スウェーデンの逸品であるハッセルブラッド。カメラと三脚など25キロもの機材を担いで、世界中の自然のなかに出かけていきました。
日の出を待って夜中から待機するなど、自然のなかでシャッターチャンスを狙って待機していると、日ごろは縁のない自然のさまざまな音や景色を体験することができます。そのようななかでじっと自然と対話しながら、これしかないという一瞬のタイミングでシャッターを切ると、自然と交感した感覚が得られよい写真が撮れました。
一瞬のチャンスを逃がさないことが大切なのは、事業でも同じことであり、私は写真を通してそのことを自然から学んだような気がします。
【健康長寿の実現をめざして】
写真撮影と並んで、現在最も精力的に取り組んでいるのが、杜仲茶の普及・販売です。これは普通の杜仲茶ではなく、杜仲茶の有用エキスを世界で初めてパウダー状にした「杜仲精粉茶」で、中国陝西省の西北農林科技大学が製造したものを独占的に輸入販売しています。ゲニポシド酸を多く含んでおり、血流浄化と血管強化で基礎代謝を上げることが期待できます。この粉末100グラムで普通の杜仲茶300リッターに相当する効果があるといわれています。
超高齢化社会で健康長寿を実現するには、病気にならないように予防に努めることが大切です。そのためにはまたとない商品と信じ、積極的に多くの皆様にお奨めしています。実際、私自身も長年にわたって愛用し、85歳を迎えた現在でも健康を維持しています。